兵庫県丹波篠山市の郷土料理「ぼたん鍋」をテーマにした取組が、持続可能な観光の国際的な優良事例を選ぶコンペティション「Green Destinations Top 100 Stories 2026」に選ばれました。応募したのは一般社団法人丹波篠山市観光協会で、「Culture & Heritage(文化・遺産)」部門のストーリーとしての選出です。

豚熱による危機と「ぼたん鍋」の捉え直し
2021年、丹波篠山市内で野生イノシシの豚熱感染が確認されました。市内で捕獲された猪肉の流通が制限されるなど、ぼたん鍋は大きな危機に直面しました。
この状況を受けて、丹波篠山市観光協会は、ぼたん鍋の価値を「地元産猪肉」という一つの食材だけに求めない考え方に切り替えました。味噌、出汁、冬野菜、山椒、料理人の技、猟師や農家とのつながりなど、地域で育まれてきた食文化としてぼたん鍋を捉え直し、その魅力を伝える取組を進めてきました。今回選出されたのは、この取組です。
文化庁「100年フード」に続く国際的な評価
丹波篠山のぼたん鍋は、これまでに文化庁の「100年フード」に認定され、有識者特別賞も受賞しています。今回の選出により、ぼたん鍋を守り継ぐ地域の取組は、持続可能な観光や文化継承の観点から国際的な評価を受けることとなりました。
丹波篠山市観光協会は、今回の選出を情報発信の機会にとどめず、ぼたん鍋をはじめとする地域食文化の継承や、里山と食文化の関係性の発信につなげていくとしています。あわせて、秋に集中する観光需要を冬季へ分散させること、持続可能な観光地域づくりを進めることにも役立てていく方針です。

「Green Destinations Top 100 Stories」とは
「グリーン・デスティネーションズ Top100ストーリー(Green Destinations Top 100 Stories)」は、世界各国の観光地による持続可能な観光の取組を“ストーリー”として募集・審査し、優良事例として毎年100件を選出・公表する国際的なプログラムです。選ばれた地域は世界に向けて情報発信され、国際的な観光の実践事例として注目されます。
運営するGreen Destinationsは、オランダを拠点に持続可能な観光地域づくりを国際的に推進する非営利団体です。「Top 100 Stories Competition」の運営のほか、観光地を対象とした認証制度などを展開しており、GSTC(Global Sustainable Tourism Council)の認定を受けた認証機関の一つでもあります。なお、Top 100 Storiesへの選出は、Green Destinationsの観光地認証を取得したことを意味するものではありません。
猪肉・ぼたん鍋はふるさと納税の返礼品にも
猪肉とぼたん鍋は、兵庫県丹波篠山市へのふるさと納税の返礼品としても出品されています。直接丹波篠山市を訪れることができない人も、ふるさと納税をきっかけに味わえます。
寄付金は、丹波黒の生産振興をはじめとする「農の都としての農業振興に関する事業」などに活用されます。
出典:丹波篠山市