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食事の最初に「野菜一日これ一本」を飲むと食後血糖はどうなる? カゴメが同量の糖質を含む糖液と比較検証

カゴメ株式会社(代表取締役社長:奥谷晴信、本社:愛知県名古屋市)は、食事の最初に野菜飲料を飲んだ場合に、食後の血糖値指標がどう変化するかを調べた研究の結果を公表しました。研究成果は日本栄養・食糧学会誌に掲載され、2026 […]

食事の最初に「野菜一日これ一本」を飲むと食後血糖はどうなる? カゴメが同量の糖質を含む糖液と比較検証

カゴメ株式会社(代表取締役社長:奥谷晴信、本社:愛知県名古屋市)は、食事の最初に野菜飲料を飲んだ場合に、食後の血糖値指標がどう変化するかを調べた研究の結果を公表しました。研究成果は日本栄養・食糧学会誌に掲載され、2026年10月28日にJ-STAGE上で公開されています。

各群の15分ごとのΔグルコース値の平均値を折れ線グラフで示した。 **P < 0.01,*** P < 0.001 vs 糖液食(Wilcoxon signed rank exact testを行い、Bonferroni補正を実施した)。
各群の15分ごとのΔグルコース値の平均値を折れ線グラフで示した。 **P < 0.01,*** P < 0.001 vs 糖液食(Wilcoxon signed rank exact testを行い、Bonferroni補正を実施した)。

“ベジタブルファースト”を野菜飲料で日常的な食事条件に近づけて検証

野菜を食事の最初に食べる“ベジタブルファースト”は、食べるものを大きく変えなくても食後血糖値の上昇を抑えられることが報告されています。カゴメもこれまで、同社の野菜飲料を食事の前に飲むことで、食後血糖値の上昇が抑えられる可能性を報告してきました。

今回の研究では、より日常的な食事条件に近づけるため、野菜飲料を飲んだ直後に白米を食べる形で試験を実施しました。食後の血糖値の変動は、持続血糖測定装置を使って詳しく評価しています。持続血糖測定装置とは、一定期間の血糖値を連続的に測定できる装置で、採血による従来の測定では捉えきれなかった血糖の変動を、より詳細に把握できるとされています。

A:摂取後60分までのグルコース値の推移から算出した上昇曲線下面積, B:食後のグルコース値の最大変化量(ΔCmax)をグルコース値がピークに達するまでの時間(Tmax)で除した値.  p:ウィルコクソンの符号付順位和検定の結果をボンフェローニ補正をした値, 赤字: p < 0.05, ◆: 各群の平均値. N = 26.
A:摂取後60分までのグルコース値の推移から算出した上昇曲線下面積, B:食後のグルコース値の最大変化量(ΔCmax)をグルコース値がピークに達するまでの時間(Tmax)で除した値.  p:ウィルコクソンの符号付順位和検定の結果をボンフェローニ補正をした値, 赤字: p < 0.05, ◆: 各群の平均値. N = 26.

水・野菜飲料・糖液の3パターンで比較

試験の内容

研究対象者は、2023年11月から2024年2月に、カゴメの総合研究所に勤務する20歳以上の従業員から募集されました。糖尿病の治療中の人や試験食品にアレルギーがある人など、参加に適さない人を除き、同意を得られた人を対象としています。試験では、次の3種類の試験食が用意されました。

  • 対照食:水200 mL+白米150 g
  • 野菜飲料食:野菜飲料「野菜一日これ一本」200 mL+白米150 g
  • 糖液食:「野菜一日これ一本」200 mLに含まれる糖質13.2 gと同量のグラニュー糖を水に溶かした糖液200 mL+白米150 g

同じ人が期間を分けて異なる条件を順番に試す「クロスオーバー比較試験」の方式で、3種類の試験食をそれぞれ2回、計6回摂取。最初の試験食はランダムに指定し、対照食、野菜飲料食、糖液食の順で2サイクル行いました。いずれの条件でも、午前8時に飲料を全量飲んだ後、間を空けずに白米を食べています。前日の21時以降は水または白湯以外の飲食を控え、摂取から3時間後までは水または白湯200 mL以外の飲食を控えるとともに、身体活動も座位または静かな立ち仕事程度に制限しました。

測定と解析の方法

試験期間中は、持続血糖測定装置FreeStyle Libre™(アボット社)を装着し、摂取180分後までの間質中グルコース値を測定しました。データからは、食後のグルコース値の最大変化量(ΔCmax)、上昇曲線下面積(IAUC)、各時点における食前からの変化量(Δグルコース値)、ピークに達するまでの時間(Tmax)、上昇速度の指標となるΔCmax/Tmaxを算出し、3種類の試験食間で比較しています。個人内の日間変動の影響を軽減するため、各試験食の2回の測定値の平均値が解析に用いられました。

糖液食では食後早期の血糖指標が有意に高く、野菜飲料食は対照食と差なし

試験には30名が参加に同意し、規定通り試験を完遂した26名を対象に解析が行われました。摂取直前のグルコース値には、3つの試験食間で統計学的な差は認められませんでした。

食後の血糖指標を比べたところ、糖液食では対照食・野菜飲料食と比較して、食後早期の血糖上昇を示す複数の指標(摂取後60分までのIAUC、食後15分および30分のΔグルコース値、ΔCmax/Tmax)が有意に高い値を示しました(いずれもp < 0.05)。一方、野菜飲料食と対照食の間では、いずれの指標でも統計学的な差は認められませんでした。

野菜飲料食と糖液食は含まれる糖質が同じだったにもかかわらず、野菜飲料食では食後早期のグルコース上昇が抑制されました。このことから、食事の最初に野菜飲料を摂取した場合、同量の糖質を糖液として摂取した場合と比べて、食後早期のグルコース上昇が小さくなる可能性が示されました。また、野菜飲料食は飲料由来の糖質13.2 gが加わっているにもかかわらず、水と白米の対照食との間で食後グルコース指標に統計学的な差は認められませんでした。食事のタイミングを変えず、食事の糖質も減らさないという実践しやすい条件でも、同量の糖質を含む飲料と比べて食後血糖指標の上昇を抑えられる可能性が示唆されたとしています。

なお、こうした違いが生じたメカニズムについては、今回の研究では検討されていません。これまでのヒト介入研究では、食物繊維や有機酸が糖質の吸収速度に影響することや、植物由来ポリフェノールを含む食品・飲料の摂取で食後早期の血糖応答が低下することが報告されており、野菜飲料に含まれる糖質以外の成分が結果に寄与した可能性も考えられるものの、今後さらなる検討が必要だとしています。論文名は「野菜飲料ファーストによる食後血糖応答: 水、野菜飲料および糖液とのクロスオーバー比較試験」で、著者は吉田悠氏、牛田悠介氏、関谷美保子氏、井上拓郎氏、鈴木重德氏です。

出典:カゴメ株式会社